ガラスクロスについて
- 平織の特徴
- @ 平らで丈夫な組織
- A 経・緯とも屈曲の度数が最も多く、織物は裏表が同じ
- B 糸の密度を多くすることができない
- C 地は薄いが、硬くてシワが入りやすい
- D 摩擦に強い
- E 製織が容易でその応用は広い(模紗織、目抜平織など)
- 斜文織の特徴
- @ 3本以上の任意の糸で作り表面に綾線がある組織
- A 平織に比べ密度が多く入れられ糸間の隙間が少ない
- B 地合が密で且つ厚くできるが、柔軟でシワになりにくい
- C 平織に比べ摩擦に対しては弱いが光沢に富む
- D 織種類が多いが、その応用は平織より少ない(トルコ朱子、破綾織など)
- 朱子織の特徴
- @ 5本以上の任意の糸で作り表面は一方の糸で作られた感じを出す
- A 糸の屈曲は最も少なく表面は平滑
- B 糸は密に並べられ糸間の透かし目はほとんどない
- C 地は最も厚く柔軟である
- D 摩擦には最も弱いが、最も光沢を持つ
ガラスクロスはガラスヤーン(Eガラス・Cガラス)を用いて製造した織物で、
織り方には平織・斜文織・朱子織の原組織をはじめ、その応用でカラミ織・模紗織などがあります。
織り方・使用糸・織密度の組合せによって、数多くの品種にわかれます。
さらに用途・要求品質に応じて、ヒートクリーニング処理・表面処理・目止め処理などの各種処理を行います。
(織り方による特徴については下記をご参照下さい。)
ガラスクロスは高度な品質保証体制のもとに製造された多様な品種と一貫生産システムを用いた用途に応じた新たな
品種を作ることができ、安心してご使用いただけます。
主な特性
熱的特性 ・・・ 耐熱性・耐火性に優れています。 軟化点 約840℃(Eガラス)
電気的特性・・・ 電気絶縁性に優れています。
機械的特性・・・ 引張強さが大きく、寸法安定性に優れています。
化学的特性 ・・・ 各種“処理”を施すことにより各面の接着性を高めることができます。
織物原組織
織物の組織は非常に種類が多いですが、その基盤となるものは次の三つです。
これを三大組織または原組織と呼んでおります。
1. 平織(Plain) |
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最も簡単な組織で経(タテ)・緯(ヨコ)2本ずつで循環し、いずれの糸も1本毎に浮沈して交差しています。 | |
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2. 斜文織(Twill) |
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一般的には「綾織」と呼ばれており、経・緯3本以上から作られるため平織のように交互に浮沈せず、連続に浮沈した組織点で斜めに綾線を描きます。 | |
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3. 朱子織(Satin) |
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朱子織は経・緯5本以上で作られ組織点が少なくまばらに離れ、且つ周囲の糸で覆われ平滑で光沢が最も良いが、摩擦に弱いという欠点があります。 | |
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取り扱い上の注意
ガラス繊維製品や作業中に飛散したガラス繊維に触れると、皮膚・目・喉・鼻などに一時的にかゆみや痛みを引き起こすことがあります。
・襟のついた長袖のゆったりした衣服(手首・足首が締まっているもの)
・保護手袋・防護眼鏡および防塵マスク (国家検定品)などを着用して下さい。
・作業の内容に応じて、局所排気装置を設置するなどの対策を講じて下さい。
・切断した場合の屑は、速やかに袋に入れるなど粉塵の飛散に注意して下さい。
・取り扱い後は、ガラス繊維に触れた手などを石鹸を用いて温水で洗い、うがいを励行して下さい。
・作業に用いた衣服は、他の服とは別に選択して下さい。
・かゆみ・痛みが続く時は、医師の診断を受けて下さい。
ガラス繊維の表面に付着している集束剤や表面処理剤は一般的に可燃性です。特に毛羽状・綿状になったガラス繊維は火種
があると容易に着火します。
・取り扱い場所や排気ダクト内などの毛羽状・綿状になったガラス繊維の除去に努めて下さい。
・グラインダーや溶接(断)機などを使う前には、機械周辺の毛羽状・綿状になったガラス繊維を充分に除去して下さい。